◆緊急告知

関東通産局は、特定商取引法に違反する行為により、リゾートクラブを含む複合会員権を連鎖販売する㈱リゾネットに対し、15か月間、業務停止命令。会員を勧誘したら儲かるとか、会員はいつでも割引で泊まれるとかには要注意!
㈱リゾネットは当協会の「リゾネット」とは関係ない・・・e-Commerceを舞台にした新たな事案
 

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【5】琳派レストランと名湯じまん


5-1:Inboundの少ない湯河原


 湯河原にはこれといった「ウリ物」「目玉」はなく、箱根・熱海ほどの知名度はない。ちなみに湯河原自体でもInbound客(訪日外人客)は少ない。当湯河原離宮にはInbound客はいない。それだけに落ち着いた良さがある。  

 総支配人の渡邉博司にヒアリング(2017年12月25日)すると、「3月31日に開業して9か月を経過した」「来客層のグレードは高い」という。  

 会員の多くは都内かその近郊に居住するので、湯河原には1~2時間で到着してしまう。「東京区部や横浜はじめ関東の富裕層でおもにご夫婦が多い」「カレンダー通りの消化が進んでいる」のもうなずける。平日は、「会員の夫人が仲間を誘っての女子会を見かける」ほほえましい光景を見かけるのも、ある意味湯河原らしいといえよう。

    昼間はあまり目立たない藤木川も、夜、ライトアップすると目立つ。館内各レストランの内装も、飽きが来ないように工夫した。和食は漆黒+金箔、イタリアンは琳派の影響を受けたグスタフ・クリムト(19世紀末帝政オーストリア・ウィーンの画家)をモチーフに、また、中国レストランには中国風のベーシックなフォルムを「琳派」で表現した。

 各レストランの食器も採否の基準は「琳派」を基調にした。洋食のオードブル用には10万円/皿もある、1個9千円~3万円クラスのものも多い。洗浄には神経を使う。

 料理は和洋中が同じ基調にならないように、また他の「離宮」と重ならないように、異なるイメージで違った楽しみを打ち出すようにしている。和は素材を生かし、和食らしさを出す。       

    中国料理の料理長は京都・神戸で修業し40歳、広東料理を基調に、乾貨と地元素材を組み合わせオリジナルにも拘った料理。イタリアンは野菜を多用し、色彩など五感で楽しめる料理になるように工夫し、ことに女性客、関西客に好評である。 

 通常規模の旅館では使いきれない素材を、地元のみならず、全国・欧州から取り寄せて、料理に反映させ、特徴をだすようにしている。

5-2:なんといっても湯河原きっての源泉


 湯河原は温泉の泉質が充実していることで、昔から評判が高かった。明治28年刊の湯河原案内にも繰り返し紹介されている(後掲)。
 ちなみに、すぐ近く(湯河原・宮上)に、細川護煕(1938年~、陶芸家・元総理・熊本県知事)邸がある。これは湯河原の温泉が東日本随一の泉質という評判に誘われて、細川護立(1883~1970年、侯爵、宮内省宗秩寮審議官)の代に建築したものである。その湯河原で湯河原離宮の温泉は随一である。天野屋から引き継いだ最大の資産といえよう。
 

 温泉は好きだが、大浴場は嫌いという会員のため、全187室中91室に温泉を引いている。日々湯抜きしてフィルタを消毒している。

湯河原の温泉は古来から高い評判を得ているが、それを堪能していただくには、ハウスキープ(客室の維持清掃)は重要だ。広い客室も単に広いだけではなく、自信をもって会員をお迎えできるように、キープされていなければならない。「湯河原離宮」の大浴場には4種類の温泉があるので、「温泉巡り」をお楽しみいただける。

 エステは関係会社に委託している。
 会員の夫人や令嬢が多く、昔からのある会員は、家族で来館され母子で2時間過ごされる。50~60歳代が多い。費用は2~3万円。そして当館には、ラウンジ、ショップ、そして現在おもにバイキング会場として利用しているボールルームがある。婚礼やパーティーとしての利用はこれからの課題である。

旧天野屋から引き継いだものに、藤木川にかかる朱塗りの橋がある。名付けて「岫雲(しゅううん)橋」。岫は万葉集(3148番)の歌にも出る漢字。訓は「くき」、おそらく山の頂きから雲が沸いてくる様であろうか。

 国主として肥後に初入部(1632年)した細川忠利が、古来熊本を支配した菊池家の初代則隆の建立(1071年)になる天台宗春日寺を「岫雲院」と改称させた。おそらくその由来であろう。

 小倉39万石から肥後52万石に出世し、外様の細川が江戸時代を生き延びえたのも、この忠利が賢かった故という。あの「三日天下」の明智光秀の孫にあたるが、「岫雲橋」は、存外、縁起の良い橋かもしれない。とすれば天野屋から引き継いだ第二の資産となろう。

 
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