◆緊急告知

関東通産局は、特定商取引法に違反する行為により、リゾートクラブを含む複合会員権を連鎖販売する㈱リゾネットに対し、15か月間、業務停止命令。会員を勧誘したら儲かるとか、会員はいつでも割引で泊まれるとかには要注意!
㈱リゾネットは当協会の「リゾネット」とは関係ない・・・e-Commerceを舞台にした新たな事案
 

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【1】伊藤代表とのインタビュー

 

1-1:狙いは「センスの良い高級感」
 

リゾートトラスト(以下RT)の会員制宿泊事業は、サンメンバーズ(1974年ひるがの~)リゾーピア(83年熱海~)エクシブ(以下XIV)(87年鳥羽~)グランドXIV2000年初島~)サンクチュアリ(03年鳴門~)離宮(06年京都八瀬~)ベイコート(08年東京~)別邸(16年鳥羽)というように時代とともに顧客のニーズを深堀し、いわばあらたな業態を工夫して時代に適応し、一貫して高級化路線を歩んできた。

しかしながら、サンクチュアリ・離宮あたりから、単に高級化というだけでは尽くせない何かが潜んでいるように感じた。当時、全国紙の全面広告を使った「エクシブ京都八瀬離宮(以下八瀬離宮)」の広告から抱いた筆者の印象である。

そこで、離宮シリーズの第一号の八瀬離宮を紹介するにあたって、あらためて伊藤與朗代表の考え方をお伺いすることとした。

ただし「八瀬離宮」の開業は2006年、開発となればさらに数年前、少なくも、ひとまわり(12年)以上もまえの、思い出話を伺うことになる。

 

Q(聞き手・大谷):あたらしい施設を考えるときのそもそもの基本は?

A(伊藤代表):まずは良いものを造ろうと思ったら良い立地であること。

Q:良いものとは?

A:良いものにもいろいろある、XIVとかベイコートとか目的によって異なる、海と山でも異なる。

・・・

A:開発部門は平素から「網」を張っている。こちらから積極的に探すだけでなく、民間や官公庁からもいろいろな案件が舞い込む。

Q:集まった案件の評価基準は?

A:会員に喜んでいただけるような場所であること、東京・名古屋・大阪から2時間くらいで行けること、「あらたな施設の立地が既存の施設の配置とバランスが取れていること。

Q:開発用地の候補が絞られたあとは?

A:空間を見ていると、あるとき施設のイメージが浮かぶ。それは、当然に、「会員にとって良いもの」でなければならない。

Q:そのイメージはどこから浮かぶのか?過去の試行錯誤とか経験とか人生観のようなものがヒントになって、なんらかの形が浮ぶのであろうと推察するが。

A:経験といえば、会員制のビジネスを始める際に最高のものを見ておこうと考え、スイスとイタリアの中間にあるコモ湖のヴィラデステ(Villa d’Este・詳細後述)というホテルに行った。プールがコモ湖の湖面に突き出ている。今から45年前の話である。このホテルを見て「凄いな」「いい感じだな」と思った。伊藤勝康会長と一緒に見た。当時世界最高のリゾートホテルだった。

まだいまの事業を開始していない頃だ。いきなりコモに行った。最高のものを見て、我々も最高のものを作ろうと、夢を大きく持った。ホテルに色々なコンセプトがあるけれども、我々は理想的な世界一のホテルを作ろうと志した。

Q:高い理想を抱いておられた。

A:単に金儲けを追いかけるという考えは最初からなかった。

Q45年もまえに遡ると1973(昭和48)年、列島改造論の頃だ。この頃のヴィラデステに注目された。

A:芸術的に建てたホテルはめったにない。その点でリッツパリ(Ritz Paris)はすごい。規模は小さいが調度や内装に至るまでデザインが統一されている。ヴィラデステのようなセンスの良さがある。客室が500600もあるヒルトンのような大規模ホテルはまた別物だ。それとは異なった高級感である。

 ()旧グラモン公爵邸由来のラザン館を買収し1898年セザール・リッツが設立。仏料理開祖のエスコフィエが協力。仏政府ホテル最高格付«distinction Palace »に非該当のため2012年休業、4億ユーロを投じ大改装し2017年再開、143室。パリの最高級ホテル。詳細後述。

Q:日本ではいかがか。

A:あとからでてきたリッツカールトン(The Ritz-Carlton Tokyo2007年開業)やフォーシーズンズ(Four Seasons Hotel Tokyo at Marunouchi2002年開業)はなかなか素晴らしい。わたくしが思っているようなほんとうの高級ホテルが初めて登場した。東京駅の近くのフォーシーズンズは客室57の小さなホテルだ。リッツカールトンのレベルを維持してリゾートホテルをイメージすると、ヴィラデステに匹敵するものが浮かぶ。僕はこういうホテルが好きだ。

Q:会員制ゆえに規模の限界はある。ほんとうの高級ホテルとは。

A:会員制は規模を追わない。センスとクオリティー。カネはかけるが、成金趣味ではない。カネをかけても仰々しくない。品の良さを維持する。

Q:ヴィラデステはこうした特徴を凝縮している。

A:分かる客に来てもらいたい。キラキラピカピカではない。会員制とはそういうものではない。

Q:そういう意味ではまだまだ日本には市場がある。

A:ヴィラデステはリゾートのモデルだが、大都市の場合でも少しかえるだけだ。センスや品の良さとは何かという問題はリゾートも大都市もおなじだ。