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島のホテル事情
小豆島観光旅館組合16事業所のうち、オーナーが小豆島にいる会社は1社、3事業所しかない。あとは島外である。現オリビアンGMのX氏は、島内出身、東京で修業後、島内某宿泊施設のバーテンダーを振り出しにホテルマン稼業に入る。池田産業(池田建設の子会社)が、オリビアンを始めるというので転職、開業前に清里のホテルで研修を受け、以来、オリビアン一筋に勤務してきた。
その彼に、オリビアンの優位性を伺うと、なにより客室の広さを挙げる。家族で性別泊が可能であること、ウオールベッド・L字型ソファーベッドは、客室係泣かせではあるけれども、1家族1室を前提にするなら十分対応できることだ。いまから30年前にこれを設計したのは特筆に値するという。
つぎに食。いま夕食朝食ともに基本はバイキング。刺身コーナーはじめ素材を吟味しながら、各日ごとに、和洋中のシェフがみずから工夫したメニューを入れて、連泊しても飽きない工夫をしている。
目玉欠く小豆島
当地、ローカル局によれば、小豆島に移住希望者が増加しているという。たしかに、良いところだとは思うが、小豆島ならこれというほどのものはない。これが観光従事者としては切歯扼腕・歯がゆいという。小粒で目玉に欠ける。かって、ヘルシービーチ(松下の海水浴場)にスペイン村?を造る計画があったとのことだが、バブル崩壊でとん挫したけれども、そういうものがあれば、ずいぶん違うという。
小豆島は、小説『二十四の瞳』の舞台で、作者壺井栄の故郷ではあるのだが、これをもって小豆島を代表させるという性格のものではない。
これといって目玉がないというのも,滞在という点からは,そう悪いことでもない.静かで落ち着いているというのも,十分な特徴である。催事の日のニューヨークや上海だからこそ静養になるという向きもないではないが,それはそれである。