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㈱リゾネットは当協会の「リゾネット」とは関係ない・・・e-Commerceを舞台にした新たな事案
 

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4-4:「琳派モダン」


 琳派に絵画や書・陶器があっても、琳派の建築やインテリアはたしかにない。さりとて、その辺にある平凡なものや、どこにでもありそうなものではなくて、見たことのないもの、未来志向のものでなければならない。
   伊藤は求めるのを
観光企画設計社(以下KKS)は「和でモダンしかし洋ではない」「洋を感じさせる和」と解釈したのであろう。切妻という屋根のかたちやモアレ現象を多用して、モダンな和を表現した形跡が見られる。  

 もともと琳派は京都の話題だから、むしろ「八瀬離宮」を彷彿させる。一方、この湯河原近隣で琳派といえば熱海のMOA美術館が著名だ。「紅白梅図屏風」(昭和31年 国宝指定)を所有し、尾形光琳の二条新町屋敷(復元)や、江戸琳派の酒井抱一の作品がある。二条新町屋敷とは光琳が晩年をすごした京都の居宅で、光琳自筆の図面や大工仕様帖等の資料を基にMOA 美術館の敷地内に復元した18世紀初頭の再現建築物である。「紅白梅図屏風」はこの屋敷の画室で描かれたという。 
   なぜ湯河原で琳派なのか。これはKKSの宿題でもあったであろう、旧天野屋には長々と逗留した竹内栖鳳がいた。横山大観に並ぶ日本画壇の大看板である。彼は良いものなら何派の技法でも取り入れる幅のある作風だった。また、湯河原町立の美術館は平松礼二の作品を常設展示していた。

 そのうえでKKSは色使いにこだわり提案した。リゾートトラストの広報(2014年10月8日付)によれば、「琳派モダン」を、「華麗な色彩と大胆かつ繊細な画面構成とリズミカルなデザインが特徴」で、「金箔、漆黒、朧(おぼろ)銀、白胡粉(ごふん)の4 色をテーマカラー」とし「琳派を現代的なデザインに昇華」させ、「豪華で大胆かつ斬新な“琳派モダン”を創出」すると説明している。

   
   つまりは、現代的なデザインに昇華させて、「湯河原離宮」の空間に、豪華で大胆かつ斬新な“琳派モダン”を構築した。ここまで検討が重なれば、「昇華」への作業は自由奔放に思考されよう。琳派の元祖の作品はもとよりだが、琳派に影響されたという欧州画壇の作風も参考としたであろう。
    
たとえばクリムトの作風が伊藤の頭脳を刺激して、館内のある空間を構成させ(この過程がまさにクリエイション)、イタリアンレストランやスパの入り口にあるエステになったかもしれない。しばしば訪れる会員に、その都度、しかも末永く、語りかけることになる。


 
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