◆緊急告知

関東通産局は、特定商取引法に違反する行為により、リゾートクラブを含む複合会員権を連鎖販売する㈱リゾネットに対し、15か月間、業務停止命令。会員を勧誘したら儲かるとか、会員はいつでも割引で泊まれるとかには要注意!
㈱リゾネットは当協会の「リゾネット」とは関係ない・・・e-Commerceを舞台にした新たな事案
 

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   【ホテル伊東パウエルの誕生】
   *会員制事業と伊東でのホテルコンドミニアム建設
   佐々木甫は、こうしたことを背景に会員制事業を計画した。専門店会の福利厚生施設としての事業である。昭和35年の池田内閣が始めた高度経済成長政策は、東京に未曽有の人手不足を招いた。福利厚生施設がなければ雇用の確保が難しいという現実があった。
   東京信販の加盟店の経営者たちは、いわば共同で別荘を持つことに高い関心を示した。加盟店やゴルフ会員たちを会員とする「リゾート会員制事業」をスタートさせたのである。
   この会員制クラブを「東京レジャーライフクラブ」と命名し、東京信販は本来の信販事業のほかに、このレジャーライフクラブの開発・運営事業を実施するようになった。
   竣工したホテルは「伊東パウエル」と命名された。パウエルはパワフルとウェルネスの造語である。広告会社にいくつか候補をあげもらい投票できめた。このようにして、昭和50年に伊東パウエルが開業したのである。なお、➀は陸置き係留地(後述)である。

   *狂乱物価のさなか
   ただし昭和46年に起きたニクソンショックは、田中内閣の「日本列島改造論」を軸に過剰流動性を招き、日本に「狂乱物価」というインフレ生み出した。
   建設省は、高騰するに対応するべくに対応するべく計画の縮小や竣工の延期を勧告したほどである。佐々木甫が当初考えた事業規模はもっと大きなものであったが、縮小せざるを得なかった。
   建設省の勧告に対し、たまりかねて地元の政治家に相談し、結果的には継続工事になった。
   ただし、工事代金が5%アップ。三菱商事の総合管理で、フジタ工業が施行した。
   出典:Wikipediaの「オイル・ショック」から。
   石油ショックないし危機のことで、1973年と1979年の原油価格の高騰をいう。上の図は、その高騰ぶりを示す。日本では狂乱物価(高騰)を生み、日用品が市場から消えたほか、建築資材も跳ね上がり、工事費を直撃した。こうした現象が国内の随所に起きた。産油国の国際収支は黒字になる一方、発展途上国は資金不足に悩んだ。日本の経済政策は、賃金を物価上昇にフルスライドさせ、インフレの弊害が産むはずの混乱を回避した。

   *絶妙な用地確保
   ふつうは公衆用道路の陸地側にあるのだが、伊東パウエルの建設用地は、海岸に沿って走る公衆用道路と海岸線の間に存在する(下図参照)。下図の白枠②がパウエル伊東である。こういう土地は相当な偶然か、よほどの巡り合わせがなければ入手できない。
 

   相模湾に沿って走る一般国道は、134号(横須賀から大磯町・西湘バイパスを経て小田原)と135号(小田原から下田まで)である。したがって、伊東パウエルの前は135号線である。国道が海岸線に接して走る場合、海岸線と国道の間に、つまり海岸と接する形で、ホテルなどの私有の観光施設が建築されるケースは比較的珍しい。伊東パウエルの近くで似たような建設用地を持っているのは、ホテルサンハトヤくらいであろう(川奈ホテルゴルフコースは別途に触れる)。
   そもそも、海そばの原っぱや崖っぷちなど、使い道もないし、そもそも登記があっても土地がないこともあって、本来は、誰も関心を示さないのだが、係留権付の住宅(有名なのは仏・コートダジュールのPort Grimaudや米・マイアミのPalm Island Park)とか、係留権付のヨットクラブ(マリーナ)などの開発事業を営むとなると、にわかに注目を浴びる。
   この立地は舞浜の東京ディズニーランド(TDL)も同様だ。公有水面埋立法によれば、都道府県の土地開発公社は埋め立て地を造成して分譲できる。千葉県はオリエンルランド(OLC、筆頭株主は京成電鉄だが、三井不動産の色が濃い)に、その一部を遊園地にするという条件を付して払い下げた。困惑した三井グループがディズニー(当時のWDP)のフランチャイズになったことが始まりである。

 しかし海岸は規制が多い。ハワイのワイキキの海岸だって、たしか「米・海軍」の管轄(波打ち際ないしは水際線から最初の立木までが州知事・・・)のはずだ。日本の場合は、河川よりは解放され、海岸管理者は都道府県知事が多いといえども、海岸保全区域の管理を行う国の機関であるとされる。水際線に沿って走る道路の陸地側はいかようにも私有が可能だが、海側の私有は難しい。そこに、河川が流れ、海運用の港湾港や漁港があり、造船やエネルギーなど工場や公園が立ち並ぶ。それぞれに規制があり、ここで容易に紹介するのは筆者の手に余る。
   (注)ご関心の向きは以下などを参照。交告尚史・三浦大介、東京大学公共政策大学院(海洋アライアンス)「2015年度冬学期 沿岸域管理法制度論講義案」
   藤本昌志「現代日本の海の関連に関する法的問題(文科論) 」神戸大学海事科学部紀要、 2005  http://ci.nii.ac.jp/naid/110004631003
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