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関東通産局は、特定商取引法に違反する行為により、リゾートクラブを含む複合会員権を連鎖販売する㈱リゾネットに対し、15か月間、業務停止命令。会員を勧誘したら儲かるとか、会員はいつでも割引で泊まれるとかには要注意!
㈱リゾネットは当協会の「リゾネット」とは関係ない・・・e-Commerceを舞台にした新たな事案
 

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略史2 


03★越前大野と飛騨高山 

 大野市には九頭竜ダム(着手1962年・竣工68年、総貯水353・有効貯水223各容量百万?)がある。先行した黒部ダム(着手56年・竣工63年、総貯水199・有効貯水148各容量百万?)は映画や歌や感動的ドラマになったが、九頭竜の方は黒い霧で話題になって石川達三の小説・金環蝕(サンデー毎日に連載・1966)や緒方克行のドキュメント・権力の陰謀(現代史出版会1976)に描かれ、映画にもなった(75年)がどうも暗い。地下の金森は何と評しているだろうか。
 高山(当時は岐阜県大野郡朝日村)には秋神ダム(着工49年・竣工53年、総貯水17・有効貯水16各百万?)がある。黒部・九頭竜よりはるかに小さいが、大先輩格で、終戦後の電力不足の解決のためGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)のお声かがりで着工、実はその計画の発端は大東亜戦争に必須の大電力開発の一端にあった。
 水系別に包蔵水力を見ると2位の信濃水系をわずかに抜いて木曾水系がトップ、高山を流れる飛騨川(益田川)も木曾水系に含まれる。また、都道府県別に包蔵水力を見ると富山・長野・新潟を抜いて岐阜県がトップだが、未開発が33%、工事中256で、上位4県では最も多い。山岳地帯にとってはやはり重要な資源なのだ。

04★農耕はダメだけれど、「山色よろしく」 
 

 米の収穫を期待できない、地元の産米だけ地元の人口を養えないこの地域を、金森長近はいかにして治めたのか。大江浩「山方買請米制度について」や、菱村正文「江戸時代の飛騨における米国事情」などの所見によれば、農耕はダメだけれど、「山色よろしく」で、山林資源・金銀採掘なら可能性があることを、為政者は知っていたようだ。
 秋神ダムは、終戦後の朝日村や岐阜県に種々利害の対立を産んだようだが、地下の金森は「ほら見たことか」「小京都高山に大ダムは似合わない」と言ったか、「山色よろしくするには水利が重要」「だから高山がある」と言ったかは興味深いところだ。
 金銀採掘は一か八かでリスクが高いが、森林は労力かけて努力した分は報われる。ただし、森林は育林の一方で伐採と輸送が必須で、つまりは労力なしに富は産まない。農耕で吸収しきれない労働力を森林伐採と輸送に向け、その販売をもって治世の財源にする。金森はその森林経営を一手に独占して、その仕組みを作った。つまり、「元伐制度」を布き、南北各々に伐採の拠点を設けた。ことに南方は乗鞍・御岳の山麓を含み、ことに「ひのき、さわら、ねず等の良材が無尽蔵と思われるほどの地帯」であった。
 この乗鞍・御岳の西側が信濃の木曾、東側は飛騨の南方となる。余事ながら、木曾も東山道沿いで、高山に負けず劣らず貧しそうな感じがする。京までの距離は、木曾からでも高山からでもそう違いはない。木曾のヒノキで森林業は盛になっていくが、飛騨ほどに匠は出なかった。なぜだろうか。たしかに飛騨に比べたら、まだしも広い平野が信濃にはあり、朝廷は庸・調を免除しなかったゆえか。
 ともかく、飛騨の匠が持続したのも、あるいは高山の小京都が成立つのも、この森林から産まれる雇用と消費に拠るところが大きかろうと推定する。

 
 
 
 
*飛騨高山(右の朱円)の平野は、松本(図の右)に比狭い。コメの収穫に苦労した。

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