◆緊急告知

関東通産局は、特定商取引法に違反する行為により、リゾートクラブを含む複合会員権を連鎖販売する㈱リゾネットに対し、15か月間、業務停止命令。会員を勧誘したら儲かるとか、会員はいつでも割引で泊まれるとかには要注意!
㈱リゾネットは当協会の「リゾネット」とは関係ない・・・e-Commerceを舞台にした新たな事案
 

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大切なのは施設の日々のオペレーション

【5】いくらカネをかけてもオペレーションできなければ価値なし

青木建設についてはいまさらであるが、創業者は海軍中佐青木益次、海外土木工事にも注力、73年に長男で大蔵官僚の宏悦が社長就任、イケイケで頑張って、88年、興銀の仲介と融資でウェスティン・ホテルズ・アンド・リゾーツを1730億円で買収、89年社長を興銀出身者に譲り会長に就任。ここからバブルが反転して財務状況が悪化、94年には早くも家宝のウェスティンをスターウッズに売却、96年にかけてさらに経営は悪化、97年社長交代して建設官僚を据える。
   
 この間、関空や海外工事を受注するが、過重な債務を跳ね返すだけの財政状態になく業績悪化、株価20円の時代が続いた。99年あさひ(現・りそな)銀行から2049億円の債権放棄を受けるが、結局、2002年民事再生法申請で事実上倒産した。時の小泉内閣が冷たく放置したゆえの倒産ともいう。合併して、青木あすなろ建設として名跡が残っている。

そして、イースタンリゾート開発は青木より一足早く2001年に会社更生法を申請。このときは巨魁なるコンクリート塵芥ができるのかと地元民もヒヤッとしたという。スポンサー企業として㈱ダイヤモンドソサエティが名乗り出てこれを引き受け、順調にオペレーションを続け現在に至っている。

なお、その時期、同じころ、宮崎はシーガイアグループが経営するフェニックス高原CCが会社更生法を申請、米国投資会社のリップルウッドHDがシーガイア全体を162億円で買収し、会員には無額面会員権を発行した。あれから約10年経過した。そして、つい先ごろ(20123月)、4億円(負債54億円込み)で、ゲーム機器のセガに売却した。いかにカネを注ぎ込み立派なリゾートクラブの施設ができても、日々の運営がなければその意味が薄い。的確な運営にはそのプラットフォームとなる財政状態も的確でなければならない。

鳴り物入りで登場したリップルウッドだが、07年にカネがかかるオーシャンドームを閉め、一回だけ10年度決算で黒字にしただけだ。多分、損益分岐点の高さにウンザリしたのであろう。退場した。その点、ダイヤモンド滋賀はまさに「出藍の誉れ」というべきであろう。日々のオペレーションが大切である。

なお、スターウッズやリップウッドについては、他日に解説を加えることとしよう。

 

【6】石川勝幸支配人はハワイアンキュイジーヌシェフ

イースタンリゾート㈱が破たんさせた施設に、㈱ダイヤモンドソサエティは可能性を見出し、ダイヤモンド滋賀として再生させた。その狙いを具体化させるのが施設スタッフであり、それをリードする支配人の考え方や人となりである。館内に掲示される合言葉は「訪れるたび、深まるここちよさ」。なかなかにしていい得て妙、リゾートには、長期滞在の他に、同じサイト(現地)に繰り返し訪れるという意味があるからだ。

現支配人の石川勝幸は、東京出身。19歳からフレンチ料理に従事。27歳のときダイヤモンド入社。八ヶ岳美術館ソサエティとHotel Waikea(ハワイマウイ島)で料理長、瀬戸内マリンホテル支配人を経て現職に就く。宇野と児島のあいだの渋川海岸にあるダイヤモンド瀬戸内マリンホテルの支配人が前任地である。瀬戸内海国立公園内ゆえに自然公園法が適用され分譲不可、一般ホテルとしてオペレーションした。日本の白砂青松100選に選ばれ、1キロの人口浜があり、「なかなかいいところだった」という。

シェフとしてハワイアンフュージョンキュイジーヌのような創作を得意とした。19913月にブルサン(Boursin)チーズが、ACF(全米料理財団)・料理長オワフ支部の助言協力のもとに開催したコンテスト、BoursinChef of the Year Contestで優勝し賞金$1000を獲得、5月の全米・カナダ大会に進出、3位に入賞した。

 

    

 

左の写真は、全米・カナダ大会で3位入賞した時のスナップ写真(本人左端)である。右はそれを報じた雑誌である。出典“HOST LOADING & RESTAURANT NEWSMay 1999pp.10-11

 
 
 

   レシピはBousin Garlik & Fine Herb Stuffed Duck Cotelette。合鴨を開き叩いてのばす、オニオン・しいたけ・ブルサンチーズなどを詰め込み、カツレツ風にまとめ、フライパンで炒る(sauté)。以下は当時の掲載誌記事からの抄。このときベンチマークにロイズレストランのロイ山口を仮想していたのかもしれない。

     

 今、石川は、ダイヤモンド滋賀の料理を料理長に任せている。それよりも、鈴鹿山系の山麓の色あいや気候と350億円かけたこの空間とが、ハワイで創作した料理のようにフュージョンすれば、あるいは興味深いサービスが生まれる。ことにロビーからアトリウムを眺めていると、なにか魅力的なウエディングレセプションが提案され、ひとつのファッションになれば、ダイヤモンドソサエティの会員にとっても、また楽しさも増すことになる。

     


 この分野の競合先は、たとえばここから50km離れた大津プリンスホテルである。50kmといっても新名神があるゆえに1時間の距離でしかない。丹下健三が設計した38階建て地上133m540室の規模を誇る。どう対峙するか興味は尽きない。
                         ⇒つぎに続く